水玉に恋をした
この時期に転校してくるヤツなんてめずらしいから、クラスメイトの女子が騒いでいたのを思い出した。
「そうなんだ? じゃあ、今月から転校して来る小春水絵です、高校1年生なの、ヨロシクね!!」
と、その少女は、とてもキレイに笑って挨拶した。
コハルミズエ――
彼女の名前。
跳ね上がる、心臓。
ドキドキと鼓動を繰り返すたびに上がっていく体温。
自分が、自分でないような、そんな感覚がした。
「……俺は、紺野圭一、高1、よ、よろしく」
なんとか、シカトせずに俺は、言葉を絞り出した。
「同い年なんだ? 今から学校に行こうと思うんだけど、時間あったら案内してくれる?」
ドキッ!!
「い、いいよ!! こいつの散歩がてらなら」
「よかったぁ、いきなり1人は入りずらかったんだ♪ 紺野くんありがとう、小太郎くんもよろしくね!!」
小太郎も嬉しそうに笑って返事をした。
