僕らの宇宙戦艦奮闘記


「よりにもよって、こんなときに見つからなくても・・・」


 花子がそんなことを言ってくるが…。


「こんなときだから…だろう?」


 こんなタイミング良くXポイントから隕石が発見されるものか。


「…斉藤は、これが意図的だと考えてるの?」


 佐倉が不安そうな声で言ってくる。


 可能性は否定しない。


「せやから、斉藤は村山にレーダー監視を頼んだんやろ?」


 答えたのは美並。


「え?あぁ、そういうつもりだったのか!」


 答えたのは村山本人。


 …って、おい。


「お前、さっき、そういうことか。って言ったじゃねぇか?」


「え?あれは、なんというか、勢いというか何というか…」


「‥‥…そういうつもりだったんだよ。」


 もう、つっこむのも嫌になった。


「そうだったのか、だったら、そう言ってくれよ。」


 ハハハハと笑う村山をぶん殴りたくなったのは、俺だけではあるまい。


 瞬間。


「隕石、視覚に捉えた!」


 佐倉から怒声が飛んだ。


 艦橋の窓から見えるのは、巨大な鉄の塊。


 まっすぐと、地球に向かって降下している。


 だめだ。完全に地球の重力圏内。阻止限界点も超えている。


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