カレシ

「じゃあまた明日ね」

まきと別れてバスに乗り込む。

あの後先輩からのメールはなく、偶然会うこともなかった。


あ~ぁ、がっかり…

そう思ってケータイを見ると、先輩から着信が残っていた。

電話がかかってきていたのは1分前だ。

歩いてたからバイブに気づかなかったみたい。

すぐにかけ直してみたけど、
先輩は電話に出なかった。


はぁっとため息をついてバスが出るのを待ちながら、窓の外を眺める。


…あっ!!!


丁度先輩が、友達と楽しそうにふざけ合いながら歩いて行くのが見えた。

その時、後ろの席からキャーッと言う声が聞こえる。

「ちょっと!!見て~!恭先輩がいるんだけど~!!」

「えっまじっ!?あっほんとだあ!!やばい超かっこいい~!まじ大学の王子だよね~!」



"恭先輩"

と言う言葉に、あたしはビクッと身を固くする。


「あ~あたしアドレス聞いてみよーかなあ!」

「え~ずるーい!あたしも知りたいし!」

「なら明日、二人で声かけてみよーよ!!」

「えー緊張するー!!オシャレしてこーっ」



…やっぱり、モテてるじゃん


気持ちがズーンと重くなる。

あの子達、ほんとに明日声かけるのかな

先輩…アドレス教えちゃうのかな


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