素敵な片思い
携帯をしまいながら杉浦くんが、ため息をつく。


「…杉浦くん、どうかした?」


「へっ?…あぁ、別に」


どんより…。一気にテンション下がってるし。


「カノジョ?」


「え?何でわかったん。会話、聞こえてた」


「会話までは…。そこまで気分左右されるんだから、カノジョなのかなって」


「あ~あ、やんなるわ。今週末さ、旅行行くつってたのに、ダメなんだと。仕事が立て込んでて…って言うんだけどさ、あいつんトコ土日完全休みだし。

ウソつくならもっとバレねーようにつけよなぁ…」


「カノジョ…信じてあげなよ。本当に仕事かもよ?」


「いや、あいつの会社オレの知り合いも勤めてんの。マジで休日出勤ねーから」


そうなんだ…。


じゃあ…何でウソつくんだろ。


「その知り合いがさ、最近会社のヤツとオレのカノジョが怪し~つってたわ。ま、モテるからわかんだけどぉ」


モテるって…何気に自慢!?


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