素敵な片思い
「え……別、に」


ウソをついた。


だって、言っていいかわかんないし。勘のいい杉浦くんが、私にカマかけてるだけかもしれない。


だけど、動揺は隠せず、私の目は杉浦くんを見ることができずに、完全に泳いでいた。


「知ってる。預かってんだろ? 指輪……あれ、オレが小玉さんに頼まれて買ったやつだし」


それはそーだけど。


「うーんと……」


「昨日、さらに小玉さんに頼まれた。アレ、海が持て余してるだろーから、オレから返してもらってって」


「え……。小玉さんが?」


「そ」


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