素敵な片思い
この間は、返さなくていいって言ってたよね。


まぁ、返すつもりではいたけど。


気が変わったってことは……カノジョと、少しは進展したのかな。


「小玉さんにもらったヤツだし、返したくねぇ?」


「……まさか!私が持ってちゃダメだって、ずっと思ってたよ。何度か返そうとしたんだから」


私がムキになって言うと、杉浦くんは優しく微笑んだ。


「うん、知ってる。小玉さんもさ、相原に悪いことしたって、謝ってた。ほーんと、優しいんだか優柔不断なんだか」


「小玉さんは……優しいんだよ」


「ちげーし。相原のことじゃん。あんなもん渡されて、よく受けとるよな。ちゃんと断れよ……」


杉浦くんは、私のおでこを小突くと、手のひらを突きだした。


< 459 / 484 >

この作品をシェア

pagetop