薔薇の眷属
約束の日の午後6時、嫌がるガクを説得して、俺たちはニューロンの車で目的地に向かっていた。
「二台で行ったら面倒でしょ。駐車場だってないだろうし」
アイさんが不機嫌なガクをなだめすかしている。
ガクはニューロンの車に乗るのが気に入らないのだ。
その割には座っているのは助手席。
「お前の隣に座って二人に悪い虫でもついたら困る」
「アホか。アイちゃんはともかく、誰がこんな男女に色目使うかい」
男女とは当然のことながら俺のことだ。
「うるさい単細胞」
「この変態が悪い」
言い返すと、ニューロンはガクをアゴで指す。
「まあまあ」
アイさんが苦笑して俺達の間に割って入った。
これが毎度のやりとりと化していた。
ブルーの車体は風を切って見慣れない山道を突っ走る。
頼むから安全運転してくれ、俺達は心で祈る。
言っても聞かないからだ。
ガクはガクで廃車間近のボロ車を愛用しているから、どっちにしろ乗りたくない。
俺もアイさんもスポット巡りに行く度、免許をとらなければと思うのだった。
「二台で行ったら面倒でしょ。駐車場だってないだろうし」
アイさんが不機嫌なガクをなだめすかしている。
ガクはニューロンの車に乗るのが気に入らないのだ。
その割には座っているのは助手席。
「お前の隣に座って二人に悪い虫でもついたら困る」
「アホか。アイちゃんはともかく、誰がこんな男女に色目使うかい」
男女とは当然のことながら俺のことだ。
「うるさい単細胞」
「この変態が悪い」
言い返すと、ニューロンはガクをアゴで指す。
「まあまあ」
アイさんが苦笑して俺達の間に割って入った。
これが毎度のやりとりと化していた。
ブルーの車体は風を切って見慣れない山道を突っ走る。
頼むから安全運転してくれ、俺達は心で祈る。
言っても聞かないからだ。
ガクはガクで廃車間近のボロ車を愛用しているから、どっちにしろ乗りたくない。
俺もアイさんもスポット巡りに行く度、免許をとらなければと思うのだった。