姫サロンへようこそ
麗しい。
最近覚えたこの言葉がこんなに似合う人がこの時代にいたなんて、と本気で思った。
蒼い目に美しいミルクホワイトの柔らかな髪。
そして何よりも、
年齢がわからない人だった。
年老いたとか、若いなんていう次元の話じゃなくて、もしかしてこの人平安時代くらいから生きてるんじゃ?と思わせる雰囲気を持っていた。
そんな葵さんは、古い洋式のお屋敷に住んでいてその入り口には薔薇庭園があった。
そこで見たものそれは、
この世にはまだ存在しないはずの
蒼い、蒼い
無数の薔薇だった。