教室のドアの前で

一呼吸置いてから教室に入る。


教室に入ると、今日も賑やかな声が飛び交っていた。

「あ、柚花おはよー!」

彼女は、上埜美玖【ウエノ ミク】。

入学式の日、一番にあたしの所に駆けつけてきた。
キレイ系で、男子からもそこそこモテる。

…今日も美玖から砂糖みたいに甘いような香りがする。
……正直頭が痛くなる。


『ん、おはよ。』

いつものように軽く作り笑いをして席に着く。

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