遊び

今日もまた、一呼吸置いてから教室のドアを開ける。


教室の中はいつも賑やかだ。


「あ~!柚花ぁ~ッ。」

席に着いたとたん、甘ったるい声がした。

『あぁ、佳織。おはよ。』

「ごめんねぇ~ッ!佳織、昨日メールするの忘れてたぁ~ッ。」


……あー…そういえば、メールするとか言ってたっけ。すっかり忘れてた。

『あー、ううん。いいよ。』

いつもの作り笑いをする。

――みんな、あたしになんか興味ないから。

作り笑いに気付く人なんていないだろうな。


「放課後はぁ~、マック行って~、プリクラ撮って~、買い物しよぉ~ねッ。」

…うん。
いい感じにめんどくさそう。

『うん。分かった。』

「じゃぁ、また放課後にねぇ~ッ!」



この時に断っていればよかった。
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