この晴れ渡る青空の下で
「宮本君が高校生の時、俺が日高の教え子でいい人材がいないか試合を観に行ったんだ。その時、日高は奥さんと大地を連れて来ていて、宮本君はご家族が応援に来ていた」



俺は岡村さんの言葉を理解しようと、真剣に耳を傾けた。

少しずつ、頭の中に、ある光景が浮かんでくる。



「大人達が話しに夢中になっていたからなのか、飽きた大地がちょっと離れた所でボール蹴って遊び始めて……」



その言葉で、俺の頭の中に完全に思い出されたのは……『あの日』の記憶。



そして。



ずっと忘れていた……いや、思い出せなくなっていた、あの子の笑顔が急に鮮明に蘇った。


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