この晴れ渡る青空の下で
「あっ! あの時の!」

思わず、希未をマジマジと見る。



そうだ……やっと分かった。

愛子ちゃんが初めて俺の病室に飛び込んで来た時、愛子ちゃんの笑顔がなんだか『懐かしい』と感じた。



そりゃあそうだ。

愛子ちゃんの笑顔は希未と何処か似ていて……あの初恋の女の子に、似ていたんだから。



その後すぐ、希未が入って来たから、心の片隅にあった遠い記憶が無意識のうちに蘇って……。



それで、あの子に初めて出会った日に見た、あの青空と爽やかな風のイメージが浮かんだんだ。

< 190 / 203 >

この作品をシェア

pagetop