この晴れ渡る青空の下で
「いや、気を悪くしたら申し訳無い。ただ、私はあいつの父親と昔からの友人で、大地の事は生まれた時から知ってるんですよ」

私の沈黙を勘違いして、岡村さんは付け加えた。



それにしても、私……本当に大地の事、何も知らないんだ。

改めてそう思う。



「私の兄が同じ階に入院していて偶然知り合って、それから顔出すようになったんです」

私のセリフを聞いて、岡村さんは笑顔になった。



「宮本さん、お時間大丈夫ですか?」

「はい、大丈夫ですけど?」

「少しあいつの事、聞いて行って下さい……こちらへどうぞ」



岡村さんはそう言って、グラウンドの横にある『クラブハウス』と書いてある建物に入った。

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