ダイヤモンド・ヒーロー




「湊人、大丈夫か?」


「大丈夫だし……」


いやっ、全然大丈夫じゃないこの状況。

俺の投げた球が打たれても、他のヤツが取ってアウトにしてくれたお陰で、今はなんとか0点のまま抑えている。


「嘘つくなよっ、バーカッ」


ハハッ、大には全てお見通しみたいだった。

大は3年間、俺の球を受け続けてきた。

そのせいか、俺の小さな変化を感じるらしい。


「緊張すんなって。 湊人だろ? “楽しもう”って言ったのは……。 言った本人が楽しまないでどーすんだ。

…… ほら、回りを見て見ろよ」


大から視線をずらし、球場を…… グルリ。 見渡してみた。


「―――」


最後は大に視線を移す。




< 159 / 200 >

この作品をシェア

pagetop