ダイヤモンド・ヒーロー
そんなに見たかったのか?
今日の試合は“運”が良かったから勝ったもので……。
顧問が説教するように…… 俺らはまだまだ練習して強くなる必要がある。
「ねえ、明日も練習あるの?」
「午前中にあるけど?」
「そっか、そうなんだ。 …… ありがとう」
一人で納得したように、首を縦に振った。
「じゃあね、ありがとう。 バイバイ」
そう言って、美山は靴を穿き変えて昇降口を出て行った。
「なんだったんだ…… アイツは」
喋るだけ喋ってさっさっとかえって行った。
アイツ…… 美山は明日も被服室でエプロン作りか?
あの様子なら、そうっぽいかもな。
「さっさと帰るか」
やめだやめ。 美山の事を考えるのをやめよう。
俺も帰って昼飯を食おう。