キミの心の声を聞かせて

クラスメート

「いってきます」

キッチンにいる母に声をかけて玄関のドアをあけた。すると6月の少し熱を帯びた風が吹いてきて。


あたしの肩まで伸びた髪をなびかせた。
高1になったからといって期待なんて何もない。


期待なんて、とっくの昔に捨ててしまった。


家から徒歩で30分の高校までの道のり。

入学して2ヵ月あまり。入学式には桜並木を横目で見ながら、新たに始まる高校生活に胸を踊らせたりもした。


けど…あたしのクラスに同じ中学のクラスメートが数人いて。


その姿を見た瞬間。あたしの中の淡い期待は一瞬で泡みたいに消えてなくなった。




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