キミの心の声を聞かせて
「智樺ぁー!早くしないと学校遅れるよ!」
キッチンから聞こえてくる母の声に、あたしは元気よく返事する。
母だけには、時々気持ちをぶつけていた。
登校拒否をしては、母を悩ませ、悲しませたりもした。
だけど、5年生になってすぐにそれもやめた。
あたしが学校に行っても、行かなくても。周りは何も変わったりしない。
あたしが学校に来なくて喜ぶクラスメートはたくさんいた。
学校に行く意味さへ、分からない時もあった。
だけど、ある時、思ったんだ。学校、行かなくて何も変わらないなら、逆にとことん学校に行ってやろうって。
「あいつ、また学校来てるぞ。よく来るよな」
って、呆れられるぐらい。学校に行って。
「あんた達なんかに、あたしは負けたりしない」
ってとこを、見せてやろうって。
だって、これはあたしの人生だから。
誰にも邪魔する事ができない。
あたしだけの人生だから。
それに、人をいじめたりする人間に、負けたくなかったから。
負けたくないよ。
あたしの名前は、中山 智樺。15歳。
高1の一見普通の女。
気づいたら、いじめと戦い続けて10年が過ぎていた…。
孤独な戦士だ