キミの心の声を聞かせて

「情けないだろう?妹がいじめられてたの…死ぬ直前にやっと気づいてさ…駆けつけた時には、アイツ、もう…」



雄大の、いつも笑顔の雄大の肩が…僅かに震えていた…。


「俺さ、悔しくて…アイツのSOSに気づいてやれなかったのが、情けなくてさ…」



それから喧嘩三昧だよって、ワザと明るく言う声は、震えていて…俯いていた。


「アイツをいじめてたのは、同じクラスの女でさぁ…殴りたくても、女だから殴れなくて…余計にストレス溜まってさ…


美佳が死んだあと、謝ってくれたけど…だからって、美佳が帰ってくるはずなくて…ホント…ボロボロだったよ…」

その頃にヨッシー達と出会って意気投合して。互いに音楽が好きなの分かって軽音部作ったと懐かしそうに話す雄大の顔を


あたしは何も言えないまま唇キュッとつむんでジッと見つめることしかできなかった。


そんな…。雄大にそんな過去があったなんて…。


「ごめん…あたし、何も知らなくて…ごめんなさい…」




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