キミの心の声を聞かせて
きょうもミッチリ練習して、乾いた喉をペットボトルの水で潤いしていると

「あっ、明日休みだから、よろしくな」とヨッシーが突然言い出した。


「なんで?」

夏休みの間、殆ど休みもない状態で練習ばかりしてたのに。突然休みって、意外だよ。


「夏休みも、残り少ないんだ、少しは思い出作りも大切だろう?」

そう言いながら、帰る準備をし始めるヨッシー。そんなヨッシーに「よく言うよ。デートのくせに」とイタズラっぽい顔で言うシュン。


「なに!?ヨッシーって彼女いるの!?」

驚いて聞くと「なんだよ?俺に彼女がいたら悪いのか?」とギロリと睨まれた。

「いえ。特にないです」イヤな汗をかきながら応えると


「ということで、きょうはこれで解散。じゃあ、明後日な。お前ら、楽しい夏の思い出でも作ってこい!」


まるで、何年か前の学園ドラマみたいなノリで叫ぶヨッシー。


「んじゃあ、帰るな」と、サッサと帰ってしまった。


余りの行動の早さに驚いていたら「じゃあ、俺も帰るわ」とシュンもサッサと帰ってしまった。


部室で2人きりになった、あたしと雄大。


急に2人きりになったから、なんだか落ち着かないや。


キョロキョロと視線を泳がせていたら


「じゃあ、俺達も帰るか?」と、ハニカミながら笑って言った。




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