キミの心の声を聞かせて
「なんですか!?」
なに?この人!?
高村雄大への警戒心がまた一層膨らんでいったあたしとは真逆に、彼は目を大きく見開いてあたしをまっすぐ見つめた。
そんな目で見ないでよ。まるであたしの心の中に入ってくるような目で見ないで!
だけど、高村雄大はそんなあたしの様子に全く気づかないまま
「ちょっと、待てって!今の声、お前だよな!?」
なおも人の心の奥にヅカヅカと足を踏み入れてきた。
「それが…なにか…!?」
やっぱり…聞かれていたんだ…。
この人、他の人に言ってあたしの事をからかうのかな…
「お前…うちの部活に入らないか!?」
「はい…!?」
今…なんて言ったの…?この人…。