素直にカエル3 ~先生と卒業式~

月明かり【先生】




――ブルルルル


机に放り投げた携帯が着信を示す


どうせくだらない迷惑メールだろう


アドレスを変えてしまえば済むのに、変えられずにいた


南と連絡を取れなくなって何日がたつだろう



時間の感覚さえなくなっていた



『オレ…女々しいなぁ』


一人の女に、しかも女子高生にこんなにも心を乱されるなんて…


昔のオレじゃ考えられなかった




『バイブ長いな…もしかして電話?』


オレは重たい腰を上げて、携帯を手にとった




表示されていたのは…





オレが待って待って待ち続けていた名前だった








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