素直にカエル3 ~先生と卒業式~



それから私達は『ひめゆりの塔』で有名な【ひめゆり平和祈念公園】など、戦場になった場所を巡った



真剣に資料や展示物を見るみんな



普段はふざけてる男子達も、みんな黙って見学していた



怖いとか、そんな言葉では収まりきらないこの感覚


胸がぎゅっと潰されて痛い


白黒の写真には、私達より若い少女達が写っていた


みんな美人で可愛くて、なにも罪もない少女


なのに、なぜこんな結果になってしまったか



私はすごく悔しかった



「今では語り部さん(戦争体験を語る方)もどんどん少なくなってるんだよ」



福井先生も真剣な眼差しで私達に話す


65年も経てば、当時10歳でも75歳だ



当然、減少していく




「だからこそ君達のような若い世代に、もっと積極的に知ってほしいんだよ」


「先生だって若いよー!」



何人かの他クラスの女子はあまり興味関心がないのか、福井先生にくっついている



「あいつら…公共の場だってのに…」


「り、理奈…怖い」



思い切り睨む理奈があまりにも恐ろしく、私とあゆみは若干冷や汗を感じたのだった



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