咲と亮





「でな、今日のロングは…」

ためる賢ちゃん。

隣を見ると亮は冷めた目で賢ちゃんを見ている。その目は可哀想だよ亮。


「…待ちに待った文化祭のクラス出し物を決めるぞおおっ!」

生徒を鼓舞するように左手の拳を天に向ける賢ちゃんに感化され、

クラスみんな椅子から立ち上がり、

「おおおっ!!!!!」

と叫ぶ。ばかだ。


出遅れた私と亮は周りのみんなを見上げ、

「なんだこのノリ」
「そいえば、このクラスの仲の良さは長所であり短所である、と言ってたよ」
「誰が」
「体育の田中先生」
「アイツは俺らクラス全員、体育楽しみすぎて次の他のクラスの授業時間に食い込んでまでバレーやってるから憎んでんだよ、この仲の良さ」

ばかだ。

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