しぱたしぱたーあーしぱたー♪
尚も楽しそうに話を続ける唯。

はぁー、いいなぁー、唯は。きらきらしてるわ、なんだか。これが恋する乙女ってやつかしら。

あたしもそりゃー…。

あのキスした日は…。

鏡の中の自分がきらきらしてた気がするけど…。

でも今は…。

あんまよくわかんない…。

本当にあたし、あいつのこと好きなのかな?

ぶっとい眉毛。

足の裏や手の裏にまで毛が生えるような毛深さ。

不感症という性格を表したような顔。

喧嘩っ早いし。

やたら格闘マニアだし。

なのに、中途半端な強さだし。

逆にいいところってどこかな?

うーん…。

うーん…。

うー………んー………。

ぬぁー!思い付かん!

「千絵は?」

えっ?!

………はっ?!

「な、なにが?」

「またまたー。豪くんとはどう?」

うー…。

なんだかやり返された感が…。

唯は相変わらずとぼけた顔してるし…。
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