幼き頃のそなたを愛する

「そなたはそこで何をしておるのじゃ?」



音のした方へ行くと、私と同じくらいの背丈で
淡い桃色の着物を着たおなごが、目を丸くしてたっていた。



「…申し訳ございません。
若君のお笛の音色をこのような場所で盗み聞きするなんて…誠に申し訳ございません。」



まるで、鬼にでも取って喰われそうな様子で
そのおなごはぶるぶると震えていた。



「そなたは…
名はなんと申すのじゃ?」
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