幼き頃のそなたを愛する
「先生。
申し訳ございませんが少し席をはずさせて頂いても
よろしいですか?」
「どうぞどうぞ。
ですが…なるべく早くお戻りになって頂きたいのです。
私一人で姫君のお相手をするのは…」
桜の君に引っ張られた髭をつらそうにしながら、先生は私に耳打ちをした。
「…わかりました。
先生のためにも早く戻ってまいります。」
私は微笑みを浮かべながら
桜の君の笑い声が聞こえる部屋を後にした。