キミが居た病院
第七章 再会

 ――いつの間にやら、もう十一月。

 テレビや病院内ではクリスマスムードだった。

 クリスマスはどこに行くだの、何を食べるだの、お勧めのお店だの、正直そういう話は聞きたくなかった。

 どうせ退院出来ないと分かっていたし、相手もいないのでそういう話は悲しくなるだけだった。

 だからテレビはニュースだけを見る様にし、中庭には行かなくなった。


 もちろん理由はそれだけではなかった。

 ……あの日以来、外に出られなくなっていたのだ。

 常にカーテンをぴったりと閉めていないと気が済まなかったし、窓には近づけなかった。

 カーテンの隙間から何か見ていたり、また何かこちらに来ているのではないかと怯えてしまうのだ。


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