キミが居た病院

 それに、何度か心霊現象に遭っていた。

 夜中、寝ている時に突然扉を叩かれたり、窓をひっかく音が聞こえたり、優香の精神は崩壊寸前だったかもしれない。



 妹が一回お見舞いに来てくれたのだが、さすがにあの出来事を話すわけにはいかなかった。

 彼氏が出来て幸せそうな彼女に余計な心配をかけたくなかったのだ。

「はぁ~あ……」


 母親はというと、数ヶ月前に来て以来一度も来なかった。

 ――正確には多忙で来られなかった。

 ただ、年始にはまとまった休みが取れるとメールで聞いたので三人で過ごす約束はした。


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