キミが居た病院

「紙に水含ませてペタペタ~って貼れば上出来! オレが今やってやるよ」

なんて言って紙を捜している間に、今度は終了五分前のアナウンスが流れ出した。

「やっべ! 悪い! 頑張って自分でつけて!」

「う、うん」

 そして部屋を出る直前、秋人がこっちを振り返った。

「ああああ! そうだ! 消灯時間来てもこれからは頑張って起きるように!」

「そうだね、メールするんだもんね?」

 クスッと笑ったが、秋人は笑っていなかった。

 時間が時間なので、そんな冗談に笑っていられるほどの余裕が無かったのかもしれない。


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