キミが居た病院

「えっと、あと、あと、昼間みたいにノックされても開けないように! また怖くなったらやだろ?」

「うん……でも夜中に看護師さんが見回りに来るよ?」

「起こさない様にノックしないはずだ」

 それを聞いて、優香は不思議に思った。

「なんで秋人君は知ってるの?」

「オレも入院した事あるからに決まってんじゃん! ってかマジ時間やばい! また明日な! あ、メールする!ばいばい!」

「了解! またねー!」

 彼の背中が見えなくなるまで見送ってから、ゆっくりと扉を閉めた。


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