キミが居た病院
第三章 乏しい記憶


 気が付いた時、優香はベッドの中にいた。

 頭がボーっとしてしまい、うまくまとまらない。

 上体をゆっくりと起こし辺りを見回すと、また窓を開けたまま寝てしまったらしい。

「さむっ」

 身震いしたその時、視界の中に鏡が入ってきた。

 鏡には紙が貼られているのだが、なぜか右端だけスペースを空けている。


「……?」


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