マスカラ〜年下男子の甘い秘密〜[完]
「声…かけなかったの?」
『なんて声かけるの…すごく幸せそうなんだもん』
クスッと笑って言うと

「そう…」
と小さく呟いた

『あの写真は…負担になるほど誰かを好きになったりしない、それを忘れない為…』
「…自分を追い詰めるのが好きだなんて…M気質」

口の端だけで笑って握っている手をジャンパーのポケットに入れた
「こっちの方が暖かいでしょ?」

『…Mじゃない…』
言いかけた私に
「だから[興味ない]か…」
独り言のように呟く蓮

それから何も言わず歩いて駅まで行った

< 104 / 158 >

この作品をシェア

pagetop