マスカラ〜年下男子の甘い秘密〜[完]
『ふぅ…、うん。笑われるかもしれないんだけど…』
一度大きく息を吐き出して蓮の背中を見た

「うん」
手をぎゅっと握って話し出すのを待ってくれている

『あれは自分への戒めみたいなものなの…』
「戒め?」
空を見ながら聞き返してくる

『あの人ね、私の気持ちが重いって言ったの』
「重い…?」
蓮の指が一瞬ピクッと動いた
『うん…意味がわからなくて聞いたけど答えはなくって、それからすぐに連絡取れなくなったの…次に偶然見かけた時は綺麗な女の人と仲良く歩いてるところだった』

空を見るとキーンと冷えた空気のせいか月も星もくっきりと見える
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