マスカラ〜年下男子の甘い秘密〜[完]
「じゃあ、これは俺が貰っていくね。ここに置いてたらいつまでも捨てそうにないし」
『…いいけど』
小さく笑った蓮が痛みを堪えたような表情をしたせいで頷く事しか出来なかった

写真をポケットにしまった後、荷物を持って玄関に行く蓮の後ろを戸惑いながらついていく

「今日は楽しかった、…ごめんね、押しかけて」
急に頭を下げる蓮につられてお辞儀をした

「あのね…やっぱり、いいや」
『気になるよ…』
私の目を見ながら何かを言いかけて途中で止めた蓮

「何でもない!バイバイ」
『あっ!ちょっと!』
タオルをギュッと押し付けるように返したあとニッコリ笑って玄関から飛び出した蓮を呆然と見送った
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