マスカラ〜年下男子の甘い秘密〜[完]
『…』
一瞬、本当に寝ていたらしく、外を見たら一つ前の駅を通過していた

「疲れてるみたいだね。イビキかいてた」
笑っている蓮の足を踏んでやった

「イダッ」
大袈裟に痛がる蓮を無視して反対のドアに向かう

人をよけながら進むと蓮が腕を広げて周りを開けてくれた

『ありがと…』
小さく言うと「いえいえ」とまた笑って開いたドアから先に出させてくれた

「さすがにこの時間は少し混んでるね」
降りた電車を見送りながら蓮が笑う

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