マスカラ〜年下男子の甘い秘密〜[完]
冬の散歩
駅までの道をゆっくり歩く
「…昼間、会ったカップルいたでしょ」
それまで黙っていた蓮がポツリと言う

『うん…』
蓮に言われて忘れていたあの光景を思い出す

胸がチクリと痛んだ

「あの子は前に付き合った彼女で…男の方は俺のツレ」
自嘲的に笑って前を向いている

やっぱりと思う気持ちとチクチク痛む胸を無視して蓮を見上げる

「仕事が忙しくて楽しかった時に俺がちゃんとフォロー出来なくて…何度か会わせた事のあるツレの方にいっちゃったんだよね」

笑いながら言ってるけど目が悲しそうだった



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