ただ あなただけ・・・
「何ですか?これ・・・」
メモを開いてみると、アドレスのような文章が書いてあった。
「これって・・・」
「また連絡する。明日は空けておけ」
五十嵐はそう言い、停めてあった車に乗り込み、街中に消えていった。
私はメモを握り締めたまま、車が見えなくなるまで佇んでいた。
「あっ!時間――」
慌てて腕時計を見たが、まだ10分ある。一安心したのもつかの間、視線を感じ振り返ると、みちるが仁王立ちしていた。
「さぁて・・・話を聞こうじゃない・・・」