ただ あなただけ・・・

帰りのエレベーターの中、五十嵐さんとの関係を聞かれた。しかし、浮気相手とは伝えず、


「起きたらあの人がいた・・・なんて羨ましい。おまけに明日はお出かけ??」


「さぁ・・・私もわかんない」


まるで他人事のようにいう私。エレベーターは止まり、数人乗り込んできた。


オフィスがある階に着くと、すぐにデスクに向かった。


――さぁー仕事仕事!――


何も考えず、ひたすらパソコンを相手にしている方がずっと楽だ。人間とは違い、嘘はつかない・・・


そんな私の姿を九条が見ているなんて気づきもしなかった。
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