ただ あなただけ・・・
「妃奈、俺の事どう・・・・思う・・・?」
バタン、とドアを閉めるとか細い声で彼が呟いた。
「・・・・ん?どうって言われても・・・・何考えてるかわからない」
私ははっきり思っている事を告げた。
「違う。愛しているか・・・いない・・・か、だよ・・・」
後半は何故か寂しげに聞こえた。
「・・・・・わからない・・・・。彼女が現れてから、あなた変わったもの。ほら!もうこんな時間っ」
腕時計を彼に近づけ、帰りを促す。これ以上彼と一緒にいれば余計な事を言ってしまうかもしれない。