ただ あなただけ・・・
窓がウィーンと開く。
「・・・悪い。いつの間にか寝ていた」
隼人はシートベルトを締め、エンジンをかけた。
「・・・妃奈?どうかしたか?」
なかなか乗らない妃奈に隼人は眉をひそめた。
「隼人さん・・・・顔色悪いですよ?最近ゆっくり休んでますか?」
「ああ…ここ2、3日寝てないだけだ。何かと忙しかったからな」
その途端、ガチャっとドアを開けて妃奈が車に乗り込んだ。しかし、シートベルトをせず、逆に隼人のを外した。
「妃奈?何してる・・・・」
妃奈の意外な行動に隼人は驚いている。