揺れる
言葉
 ついさっき、唐突に別れを告げられた。



 あぁ、晴天の霹靂とはこういうことを示すのかと、他人事のように思う中、相手はそそくさと電話を切った。



 私の発言を求めることもなく、一方的に。



 そうは思っても私はただ「はい」としか口にせず、相手の言葉の間に口を挟もうとはしなかった。



 なるようにしかならない。



 そんな変に潔いところが、悪い結果を私にもたらした。



 それから少し窓の外に浮かぶ雲を眺めて、少しだけ部屋の掃除をした。



 自分を客観的に分析するというのも変だが、きっと動かずにはいられなかったのだと思う。



 好きだった?



 体を動かしながら自分に問い掛けても、答えは返ってこない。



 それじゃ嫌いだった?



 それもどうやら違うようだ。



 結局どっちつかずだったわけだ。
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