揺れる
 そんな後悔の念が唐突に私の頭の中でぐるぐると回り、その反動は涙腺を激しく揺さ振った。



 思えばいつも私は相手に甘えていた。



 言葉にしなくても察してくれる、理解してくれる。


 人の気持ちは言葉を使わなければ、他人に伝えることが難しいと、頭のどこかでわかっていたはずなのに。



 私は知らずにその事実から目を逸らして、ただ何となく相手に身を任せていた。



 そんな後悔を頭の中で唱え続けて、日が暮れていたことにも気がつかないまま、私は泣き声を上げ続けた。


―おわり―
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