揺れる
 諦めることは容易い。



 しかし歩き続けることは、ひどく難しいと知った。


 自らと同一視してきた分、重く、安いものではない。



 それが重圧となり、耐えきれなくなり、その場に膝をついてしまう。



 その道に最後の足跡をつけるように、自らの体は沈んでいく。



 いつしか手を伸ばしてても届かないほどに深く沈んでいき、


 目を閉じると、広がる闇の中に、辛くとも笑っている自分の姿が浮かんでは消えていく。



―終―
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