揺れる
儚く
 夢の終わりはどうしてこんなにも切ないのだろうか。



 敗れたとも言い難く、


 何かを掴みかけたとも言い難い。



 まるで叶られなかった初恋のように、記憶に張りついて拭えない。



 諦めた。



 自分が、自分と同一のものと視て、その中で生きようと思った。



 どれほどの時間をそれに費やし、どれほど命を削ぎ落としてきたのか。



 たしかに踏みしめた一歩。



 しかし風の流れは強く、残してきたはずの足跡を掻き消してしまう。



 果たしてそれは本当に、いや、それに自分を投影させるほどに、自分は近い存在だったのか。


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