君と一緒に♪
遥はあたしにそんなことはいっていない。

さーちゃんとか、ななっぺに言ってるんだ、って。

「どうしたの?ぼーっとして!殴らないの?」

あたしはその言葉でハッと我に返る。

あたしが振り上げた手を遥はいとも簡単に掴んでしまう。

当然力じゃ勝てないから。

いつも遥はこの時手首じゃなくて手をつかむ。

はたから見ると手をつないで上にあげたような図に見えるかもしれないが…。

ホントにつないでるわけではないのに、あたしはいつもそんな感覚に陥って、胸がドキドキいい始めて、遥とホントに手をつないだ時のことを考えてしまう。

……?

長い。

どうしてだろ。

いつもならもう放してくれるのに。

ただ、今「放して!」なんていうと、

遥が再起不能なぐらい傷ついてしまうような気がした。


遥は、はぁ。とため息をついて、手を下した。

でも一向に手を放そうとはしない。

「は…るか…?」

あたしはなんだか心配になり名前を呼んだ。

「!! わっ、悪りィ!///」

遥は真っ赤になりながら手をぱっと離した。

遥の温もりがなくなった手は少し寒くなった。

もう3月なのに、変だな。


まぁ、これは夏でも感じた。

これが「恋しい」って気持ちなんだって思った。


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