君と一緒に♪
「実はね、うち、まだ女子の友達いないんだ……男子ばっかりに話しかけられて……。でね、友達に……」
うんうん、とうなずきながら聞くあたしたち。
なって、と言いかけたところで事件は起きた。
「きゃぁぁーっ!!ごめんっ、助けてっ」
明音ちゃん!?
「明音ちゃ……!?どうしたの!?」
紗恵ちゃんも驚いている。
「いや、遥、広田遥に追いかけられててッッ」
明音ちゃんはゼェハァと息をしていた。
「あきねぇ?今ならなにもしないよ?出ておいで~」
ちっちゃい子、いや、ペットを呼ぶような猫なで声の広田君の声がした。
「いいよっ、ココおいでっ」
ななっぺさすが!
明音ちゃんを目につきにくい所に隠している。
「ありがとぉっ!菜々美ちゃん……だよね?あと、美佳ちゃんと紗恵ちゃん♪」
そういって明音ちゃんがにこっっと笑った。
やっぱ可愛いわ。うん。
「でねっ」
口を開いたのは紗恵ちゃんだった。
「みんな、友達になって?」
「「「もちろんっ!」」」
はもったぁーっと笑ってると、
「みーつけた♪」
「げっ、遥っ」
「ごめん、ちょっと明音借りるね?」
「いやだぁーっ、あたしはまだ死にたくないよぉーっ」
明音ちゃん……ご愁傷さま。
「い・や・だ♪」
「遥なんか嫌いっ」
その瞬間明音ちゃんの首根っこをつかんでいた手がぱっと離れた。
「……しょーがねーな、今日だけは許してやるよ」
あららー広田君明音ちゃんにべたぼれですかぁ……・。
「ありがとぉ♥」
あらあら、明音ちゃんもそんな罪な笑顔向けちゃって……。
広田君真っ赤じゃん。
気づいてないとか?