君と一緒に♪

「あの……っ」

小さくて掠れてたけどちゃんと声は届いたみたい。

「あすかちゃんだよね?」

「うん。あなたは紗恵ちゃん……だよね?」

「そうだよ♪ね、ほかにいる人いないなら一緒に話そう?」



入れて、くれた。



「うんっ!!!」



こうして、あたしもグループへ入った。


このグループで過ごす毎日は楽しくて楽しくて。


ある日あっきーから相談があった。

「遥とね、喋ったりケンカしてたりすると、ドキドキするんだ。でもさ、たぶんこんな気持ちなのあたしだけなのね。寂しいなぁ……なんて。」

「恋だ」「恋ですね」「恋」


あたしはすぐに答えることができなかった。

「ねっ、あすかはどう思う?」

意見を聞かれたのなんて初めてで困った。

小学校の時のグループの中であたしはいつも最下級にいて、命令ばかりされてた。

「~だよね?」

「~だから」

「~じゃない?」

すべて選択肢は「YES」「NO」のどっちか。

でも、「NO」なんて言えなかった。


苦しかった毎日。


もう、そんなことはないんだって思ったら嬉しくなった。

「……あたしも恋だと思うよ、あっきー」


それからは遥君と話してるあっきーを遠くから見て「お似合い~」とか遠くで聞こえないように冷やかしてた。

それから、あっきーに文句を言いに行こうとする違うクラスの女子をみんなで止めたこともある。

ななっぺが言いくるめて勝った。

……といってもあたしは何もしてないけど……。


でも、楽しけりゃ別にいいか♪

あすかside 完



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