この美しき世界で
シドに紹介されたレストラン。飯は確かにうまいがどうにも納得がいかない。


僧侶、神に仕える聖職者。か弱き子羊に神の教えを代弁する者。


回復スキルに優れ、致命傷や病を治癒する冒険者のみならず町には欠かせない役割をもつ人間だ。


宗教の違いはあるから今目の前で骨付き肉をほうばっているのはいいだろう。



だがこのシドという男。僧侶というにはあまりに不似合い。


熊のような体躯はもちろんのこと、先程のナツとの攻防から見て取れるように戦闘技術も並大抵ではない。


本人曰わく


「長い放浪生活の中で勝手に鍛えられた。」


らしいが。真偽は定かではない。そもそも放浪生活ぐらいでこうなるなら冒険者は今頃みんなマッチョだらけだ。


「ちょっといいかしら。」


納得がいかない中シンシアがシドに向かい尋ねる。


「治療魔法はどの程度使えるの?それだけ長い放浪生活をしていたなら中級?それとも上級まで使いこなせるのかしら?」

「む?ま、まぁある程度はな…。中級の初歩ぐらいは使える。」

「試してみてもいいかしら?」

「か、構わんがどうやって…。」


シドの了解を得た彼女はにっこりと微笑んで





ナツの腕にフォークを突き刺した。


「ぎゃ、ぎゃあああああああ!!」

「ほら!早く治療魔法を!ナツが痛がってるわ!」


自分でやっておいて何をいっているのか。シドの戸惑いは当たり前だ。


セロに関していえば完全に固まっていた。それにここはレストランだ。周りの客席もざわめきだす。


「さぁ早く治療魔法してあげて!このままじゃナツが死んじゃうわ!」

「てめぇ…シンシア…覚えてろよ…。」


< 67 / 67 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

君が為に日は昇る
黒たま/著

総文字数/111,437

ファンタジー211ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
少年は誰かの為に戦い━ 誰かの為に生き━ 誰かの為に絶望し━ 誰かの為に笑顔し━ 誰かの為に死んでいく━ これは、かつてこの国にいた『侍』達の 誰も知らない『侍』達の物語である。 ━━━━━━━━━━━作品紹介 時代劇系小説です。戦闘描写少なめ、地の文多めに書いています。 稚拙な文ですが是非お目通しあれ。 一応ジャンルは冒険に区分していますが恋愛要素も絡んでおります。 感想、批評その他あればよろしくお願い致します。
君の声が聞こえる(短編)
黒たま/著

総文字数/2,554

恋愛(その他)5ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
短編恋愛小説です。 文章多めほぼ台詞無しですが短いので是非読んで頂きたいです。
そして僕に雪が降る(短編)
黒たま/著

総文字数/1,534

恋愛(その他)3ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
恋愛短編小説です。短いですのでよろしければ是非。感想、質問いただければ幸いです。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop