jump!
駄目だ。柚の脳内は多分ナスくんでいっぱいだと思われる。
逃げても無駄だ。諦めよう。
「あ、夏美に橋本じゃん」
後ろを振り返ると、同じクラスの田中明良(たなかあきら)がいた。
田中は私と小学校から同じだからか、許可してないのに名前で呼んでくる。
そのせいか、私と付き合ってるんじゃないかという噂が立っている。
「名前で呼ぶのやめてください」
「いいじゃん。夏美と俺の仲なんだからさ!」
その明良の発言で、廊下にいた女子の視線が私に向けられる。
もちろん、気にしないことにしよう。
気にするとその分、変な扱いされるのは知っている。
「ああっ!待てよ、夏美い!」
「いいの?田中くん、放っておいて」
「あんな人、知りません」
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