元気あげます!巴里編
そこに会話がありますから。
開店まであと1カ月。
そんな時間だけで大丈夫なのだろうか?
ひかるの心配をよそに、千裕は余裕だらけな顔をしていました。
千裕に言わせると、3日後でも開店可能だとか。
でも・・・。
店で従業員を待っていると、駅まで迎えにいった車が店の前で止まりました。
そして、ドアを開けて入ってきたのは・・・。
「やぁ、久しぶりだな。」
「こんにちは、俺は従業員じゃなくて、付添い兼、常連第1号だからね。」
「セルジュさん・・・。リュウさん。あっ、浜田さんっていわなきゃいけなかったっけ?」
「いいよ、リュウで。あとね、社長に頼まれてお店の看板娘2名連れてきた。」
「相本春菜です。よろしくお願いします。」
「岡田ひかりです。よろしくお願いします。」
「はるなちゃんとひかりちゃんね。あれ、もしかして、私より年上?三崎の社員の人だとしたら・・・?」
「いいや、このこたちは短大卒業して、見事うちの会社で採用が次点ということで落ちてしまった方々なんだ。」
「きゃぁ!浜田さん、それは言わないって約束なのにぃ」
「ごめんごめん。この就職難なときだからさ、三崎も新卒すべて採用ってわけにはいかないんだよねぇ。
証券レディのなりそこないの2人なんだけどね、話をすると料理実習とかやってた人たちなんだよね。
教えようによっては、帳票類の事務もできるし、この店の話をもちかけたというわけなんだ。」
「あの・・・浜田クン。その話はすべて俺が君に伝えたことなんだけどな。」
「あはははは・・・そうでした。社長のウケうり。」
「あはは。千裕様が考えてたことなのね・・・。ひかりちゃんって名前が似てる。
私、三崎ひかるです。よろしくね。」
「若いママさんだとうかがっていましたけど、ほんとにお若いんですね。
ママっていいづらいなぁ。」
「じゃあさ、ひかるちゃん、ひかりちゃん、はるなちゃんでいいじゃない。」